タイガーの新しいスイングコーチ

ハンク・へーニー(Hank Haney)って知ってる?
彼は全米で常にトップ10にランキングされる
ティーチングプロでテキサスをベースにして
活動しているんだ。

彼が指導している代表的な選手はマーク・オメーラ。
今年の中旬からデイビッド・デュバールの
コーチングもはじめた。
そのハンクが実はタイガーのスイングコーチをしていた
ということがわかった。

私はゴルフダイジェスト(米版)8月号で
たまたまハンク・へーニーの記事を読んでたんだ。
その記事によると、ハンクはずっとゴルフレッスンを
仕事としているんだけど
とにかくスイングのことを研究しすぎて、
だんだんと自分のゴルフがおかしくなってきたらしいんだ。

もともとそこそこ上手いゴルファーではあったらしい。
ところが、スイングの理論を勉強しすぎて
理論と自分のからだの動きのギャップが大きくなり
自分のからだが反応しきれなくなってしまいとうとう、
ドライバーイップスになってしまったんだって。

だから、人にゴルフをレッスンするときも
絶対自分で球を打って見せることは
していなかったんだって。
1985年からここ数年まで総ラウンド数が10ラウンド以下
というくらい、とにかくゴルフをするのが怖かったんだって。

その彼が最近、長かったイップス病から解放されたんだ。
その解決方法が極端な治療法だったんだ。
もともと彼はフックグリップだったのを
超ウィークグリップにし、
そして、ステイビハインドで打っていたのを、
バックスイングからフィニッシュまでボールを
見ないで 打つように変えたら、
イップスにかかって以来ボールが
まっすぐに行くことが皆無だったのに
はじめてまっすぐに球がとぶようになって
彼のイップス病は消滅したんだって。

過去の彼(教科書どおりのスイング)とは全く違った
スイングをしてみたということだ。
現在はその打ち方で60台も出すゴルフが
出来るようになったらしいよ。
その彼のイップス克服スイング写真が
ゴルフダイジェストに載っていたけど
まあ、見るも無残なスイングなんだけどね。

彼はこの経験から、一旦イップスにまでなって
神経系統がやられたら、その神経系統をもとに
修復する手段よりも、
全く新しい情報を頭に入れていちから新しい神経系統を
作り上げるのも一つの方法だと悟ったんだ。

(以上、記事から)

そのハンクがデイビッドを見たときも、
自分の経験を話して、
デイビッドに今までとは全く違ったスイングを
してみたらとアドバイスし
デイビッドの復活に大きく貢献しているようだ。
超フックグリップで、テイクバックで
シャットフェースだったデイビッドは
今やウィークグリップでオープンフェースの
バックスイングに変わって
長ーいスランプから脱出しつつある。

ハンクのもともとの生徒であるマークとデイビッドは
タイガーの親友たちなんだ。
だからタイガーがハンクに耳を傾けるのも
自然の流れだと理解できる。
マークとタイガーはフロリダのウィンダミア
という同じところに家を持ち
そこのゴルフ場で一緒によく練習している。
タイガーは頻繁にマークからゴルフのアドバイスを
受けていたこともあったので
ハンクを受け入れやすかったんだと思うよ。

ブッチ・ハーモンと離れ、スイング改造を
自分で始めた頃のタイガーは
色んな取り組みをしていたようにみえたんだけど
ひとつの方向性がなかったように思う。
でも、ハンクというコーチと一緒にやるときめたとき、
めざすべき方向性が明らかになって改造に取り組みやすく
なったんじゃないかと私は思うよ。

なぜ、タイガーがコーチのことを
これまで隠していたかというと、
彼ほどの選手になると、新しいコーチとして名乗ると
どうしても過大に注目されてしまい
もしタイガーがうまくいかなかったら
そのコーチの誹謗中傷がはじまることも考えられる。
何よりもタイガーが集中して静かにスイング改造に
取り組みたかったからじゃないのかな。

日本での優勝、そして
今回のTarget World Challengeでの優勝もあり
タイガー自身も新しいスイングに手ごたえを
感じて自信を持ったので
今回はじめてハンクのことを公けにしたんだと思うよ。

来年のタイガーの活躍が楽しみだね。

(REXの旧ブログ ”フロリダ☆ゴルフライフ” 2004/12/14 より)

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