米ツアー女子メジャー1戦目~コ・ジンヨン強し

米女子ツアー、今年のメジャー初戦(ANA Inspiration)は

コ・ジンヨンが優勝!

コ・ジンヨンは強い。
レックスにANAの試合を見て
コ・ジンヨンのどんなところに
強さを見たのか聞きました。

韓国人選手が多く戦っている姿を画面で見ると
日本勢ももっともっとたくさん
こちらのメジャーに出場する選手が増えてほしい、
とつくづく思います。

ポイント:
レックスがみたコ・ジンヨンの強さとは。
畑岡奈紗、上原彩子、比嘉真美子らのプレー。
韓国には比嘉真美子が10人いる??

 

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—–レックスさん、こんにちは。
今年最初のメジャートーナメントの
ANA Inspirationがカリフォルニアで
行われました。

コ・ジンヨン、勝ちましたね。
どんな選手でしょうか。教えてください。

 

(REX) ショットの正確性で勝負をする選手。
すべてがオールラウンド。
何が秀でているかというと、やはり
ショットの正確性ですね。

ほぼほぼ横のミスが少ない選手ですね。
フェアウエイの幅には常に打っていける
ショットメイキングにたけた選手です。

 

—–実は私たちはコ・ジンヨン選手の名前は
彼女が韓国ツアーを戦っているころからよく
聞いていました。

私たちがずっと仲良くしている元LPGAの
ツアーキャディーのDean Herdenさん、
オーストラリア人ですが、彼が韓国で
彼女を育てたと言ったら言い過ぎかもしれま
せんが、ここ数年ずっとキャディーとして
ついていましたので、Deanからずっと
韓国の若手ですごくいい選手がいるよと
聞いていました。

彼女のプロとしての成長の過程で
アメリカツアーのキャディーをしていた人から
アドバイスを受けながらプレーをしていた
というのは、彼女にとっては大きな
アドバンテージだったのでしょうか。

 

(REX) そうですね。
目標をどこに定めるかというのが明確になっ
ていますよね。

確か5年前にもこのANA(当時はクラフト
ナビスコ)に出ていて、自分が先々何をしたい
のかを明確にもっていてそれに対して
頑張ってきた、その結果が出た
ということですよね。

 

今回彼女が勝った大きな理由は、
例年に比べてフェアウェイがどちらかと
いうと少し狭めでラフが深かったんです。

例年はもっとパワーヒッターがラフに
入っても前に前にボールを飛ばして
短いクラブでセカンドショットを狙える
ほうが圧倒的に有利だったんですが

今年に関してはどうやら冬場の雨が多かった
らしく、フェアウェイの幅が狭くラフが深く
なって、例年よりも厳しいセッティングに
なりました。

そんな中ティーショットでフェアウェイを捉える
正確性と距離がそこそこでるコ・ジンヨンが
結果的にアドバンテージがあったということ
でしょうね。

 

—–対して我らが日本人選手たち、もっと
活躍してほしいな、という欲が出てきますが
日本人選手たちのプレーはどうみましたか。

 

(REX) 畑岡選手は前の週に勝ったので
期待はされましたが、やはり2週連続で
というのは体力的よりもメンタル的に
厳しいものがあったんでしょう。

2週連続で頑張るためには初日2日目で
前週の勢いを持続していいスタートを
切ったら何とか勝ち抜けられるということは
しばしばあることなんですが

やはり、初日2日目で少し苦戦をして
予選通過の金曜日にかなりの集中力を
使い切った、というのが結果的に畑岡選手が
今週は頑張れなかった要因ではないでしょうか。
これはしょうがないでしょう。

 

上原選手と横峯選手に関しては
頑張ったと思います。

 

比嘉真美子選手が日本で勝って乗り込んで
きて、結果を出せなかったということなんで
すが

今さらボールストライキングのレベルが
うんぬんくんぬんじゃないんですよね。

これはこのセッティングに慣れていない
ということじゃないんでしょうか。

 

彼女がこの予選落ちで何を自分の中で
消化するか、もちろん課題は見つかったんだ
ろうけど、その課題を必要以上に大きく
とらえる必要はないんですよね。

本当の意味で的確なところで自分の
足りない部分を見つけてほしいですよね。
ボールストライキングのレベルがどうの
こうのというのではないと僕は思いますね。

 

 

—–比嘉真美子さんとは私たちは彼女が
アメリカのQTを受けに来た時に関わってい
たので、気持ち的には思いいれがあって
見ていました。

QTを受けに来ていた時は調子が悪く、
どん底に近い状態がしばらく続いてましたよ
ね。そこから這い上がって日本ツアーで
復活しました。

奈紗ちゃんじゃないけど、この過程で
比嘉さんが何かを掴んだなら、これから
彼女の強さがまたきわだってくるのかなと
期待しています。

 

(REX) そうですね。
彼女は距離は飛ぶけどボールがちらばるタイプ
の選手なので、今回のセッティングは厳しかっ
たと思います。

フェアウェイがあと10ヤード広かったら
逆に比嘉さんは頑張れたと僕は思いますので
そこを冷静に受け止めて

たとえば、今度全米女子オープンが
チャールストンで行われますが、
女子オープンのセッティングは
フェアウェイが広いんですよ。
ラフは深いですが。

そこで今回の比嘉さんのゲームが通用しないか
というと、十分通用すると思うので
それを、もっとティーショットの正確性が
必要だ、なんて思い始めたら自分で自分の
首を絞めるようなことになると思います。

なのでもっと違うところ、たとえば、
距離のコントロールとか、アイアンショットの
どちらかに曲がる勝負球を持つとか
自分が得意としてできるところを磨く
ということができると思うんですよ。

女子オープンに向けて本当に明確な課題づくり
を、ビッグイベントでこれならパフォーマンス
があがるんじゃないかな、というところから
準備してほしいですよね。

 

—-なるほど。

 

(REX) 我々メディアはどうして結果が出なかった、
どうやこうやとついつい言ってしまいますが
それって

たとえば、日本ツアーに比嘉真美子が10人いて、
その10人の比嘉真美子がこの試合に出ていたら
誰かはひとりふたりは予選通過して
優勝争いに絡むと思うけど

残念ながら比嘉真美子は一人しかいない
というのが今の日本ツアーの現状で

韓国の選手での比嘉真美子は10人くらいいる
中で、今回コ・ジンヨンが勝ったというだけの
話なので、いいときもあれば悪い時もあるんですよ。

そこは割り切ってそういう視点で見てほしいですね。

 

—–試合自体はすごくおもしろかったですね。

 

(REX) 僕はWOWOWで試合を見ていましたが
どこにコ・ジンヨンの強さがあるのかな、と
見たならば、僕は

彼女の正確なショットを打つんだけど、
セカンドショットではボールが止まってなか
ったし、ラインは出せるけどボールは止めき
れない、そんなショットの中でも
マネージメントしていたんですよ。
そこをみなさんに見てほしかったな
と思います。

 

たとえば、コ・ジンヨンと同じところから
セカンドショット打ってボールを止められる
選手はほかにもいるけど、コ・ジンヨンは
止められなかった、でも彼女は勝ち抜いた。

それはなぜかと言えば、フェアウェイを
捉える正確性であり、ボールを止められない
なりにパーをとるルートで狙っていく攻め方、
そんなところを見てもらいたかったですね。

 

女子はメジャーがあと4つもありますので、
日本勢も女子オープンは日本予選もありますし
例年あまり知らない選手も出てくるチャンスが
ありますので、たのしみにしたいと思います。

 

—–有難うございました。

 

(聞き手:Miho)