駐車場の利用法

最近、アメリカのゴルフ場の駐車場スペースに
“Club Champion Mr. 〇〇”という看板が
たてられてるのをよく見かけます。

それも、クラブハウスの玄関に一番近い、
もっとも目立って便利なベストポジションです。

コースによれば、Men’s、Ladies’、Senior、それぞれの
チャンピオンの看板が立てられているところもあります。
いわゆる、クラブチャンピオンのための
専用駐車スペースです。

たいていの公共施設では、この位置はハンディキャップ
(身体障害者)専用駐車スペースとなっていますが、
ゴルフ場ではクラブを代表する競技の優勝者たちのために
そのスペースが確保されているのです。

1度そのスペースに車を駐車して降りてきた
Ladies’ Championの女性を目撃したことがありますが
ナントも羨ましく、そして、かっこいいなぁと
見とれてしまいました。

たまたまそのコースで偶然見かけた私でさえ
そう感じるのですから、同じゴルフ場のメンバーたちが
彼女、そして、他のチャンピオンたちに同じ敬意を
抱くのは当然だと思います。
そして、羨ましいな、来年は自分の名前がそこに
書かれないかな、と思うに違いありません。

チャンピオンたちはクラブ選手権に勝ち、
自分の名誉とともに1年間専用の駐車スペースを
もらいます。

なんとも有難い副賞ですね。
頑張った人をみんなで称えあうというアメリカ人的な
発想だと思います。

惜しくも勝てなかった人たちも、来年こそ自分の名前を!と
ゴルフの練習にも力が入り、コースへ足を運ぶようになるはず。
クラブ競技が活性化する要因がこんなところにもある
のではないでしょうか。

そして、なんと言っても経費がかからずに
たくさんの人たちの関心を得られるところが
ゴルフ場側としてはミソです。

日本のゴルフ場事情を考えると、クラブチャンピオンの
駐車スペースとともに、月例競技の優勝者、もしくは
最近流行りの友の会のチャンピオンなどにも
月単位でいいので専用駐車スペースを確保してあげたら
どうでしょう。

もし、自分の名前がそこにあれば、月例優勝者は嬉しくて
その期間はそのコースへできる限り足を運ぼうと
思うでしょう。

そして、自分の名前がなくなったら、もう1度名前を
掲げるぞ!とクラブ競技への意欲も湧いてくるはずです。

とにかく、費用をかけずにクラブ競技を盛り上げる。
これも「WIN WIN Situation」ではないでしょうか。

従業員駐車場でも、同様のことができるかもしれません。
これもアメリカでありますが、
「Employee of the month」(今月一番活躍した人)を決め、
一番いい場所をその従業員に確保するというコースも
あります。日本でも従業員のやる気を引き出せるはずですよ。

(by REX  2005年ゴルフ場セミナー9月号「REX倉本のアメリカンな話」より)