秋風のゴルフ場

秋と言えば読書の秋、食欲の秋、そして、
スポーツの秋です。日本では運動会やさまざまな
催しが開催されているはず。

スポーツ大国のアメリカも同様で、
広場では人々がさまざまなスポーツを楽しんでいます。

私の住んでいるノースカロライナ州のゴルフコースは
芝が生き生きとしてグリーンの状態は
ほぼベストに近く、1年を通して最高の状態にあると
いっても過言ではありません。

しかし、集客数はなかなか伸びません。
特に週末は苦しんでいます。
平日は多くのゴルファーで溢れかえっている
というのに、おかしな現象が現れています。

なぜなら、他のスポーツのシーズンが始まるから
です。メジャーリーグ(野球)はプレーオフから
ワールドシリーズへと盛り上がり、
NHL(アイスホッケー)やNBA(バスケットボール)の
シーズンが始まり、そして、9月から毎週土曜日には
NCAA(大学)、日曜日はNFLのアメリカンフットボールの
シーズンが始まります。

このフットボールの人気は、日本で想像されているよりも
凄まじく、USPGAツアーも興行的にはNFLにはかなわないため
来年からな9月にメインシーズンが終了するように
ツアースケジュールの変更を決定したくらいです。

土・日のゴルフ場は、最高のゴルフコンディションにも
かかわらず、結構空きがある状態で、多くのゴルファーは
ひいきのフットボールチームの応援をしています。

ここノースカロライナ州シャーロットは強い大学の
フットボールチームがない代わりに、NFLでは
強豪のカロライナ・パンサーズがあります。

9月からはほぼ毎週、日曜日の1時、もしくは4時に
試合のスケジュールが組まれているために、
多くのゴルファーはテレビ中継の始まる前にラウンドを
終了させるか、夕方ゲームが終わってから、9Hでも
プレーするためにゴルフ場へ現れます。

私のホームコースでは、ゲームが行われている間
カートに搭載されているGPSのメッセージで
試合の途中経過が逐一アップデートされます。

おもしろいのは、地元のチームが勝っているときは
うるさいくらいアップデートされる情報が
一旦負け始めるとなかなかアップされなくなります。

レストランではテレビ観戦で応援しようという企画を組み
食事やビールの特別料金を設定したり、
勝敗や得点の予想大会を毎週行うなどして
ゴルファーよりもフットボールファンを集客することを
考えているようです。

むしろそれ以上に、ゴルフ場の従業員がフットボール観戦を
楽しもうとしていると言った方が適切かもしれません。

アメリカのフットボール人気は、本当に
恐ろしいものがあります。
この人気に対抗するのはほぼ不可能なようです。

アメリカのゴルフ場にとって、秋は厄介なシーズン
でもあるようです。これもある意味、
スポーツの「空き」ですね。
あれっ⁉

(by REX  2006年ゴルフ場セミナー12月号「REX倉本のアメリカンな話」より)