畑岡奈紗、米ツアー3勝目!!

畑岡奈紗ちゃん
またまたやりましたね!

アメリカツアー3勝目!!
最終日、最終組でナンバー1のインビ―・パークと
同組でラウンドしての、逆転優勝!
着実に強くなっている姿を見せてくれました。

アメリカツアーQT初挑戦のときから
そばで奈紗ちゃんのことを見ていた
レックスさんに、今回の試合で見えた
畑岡奈紗プロの強さを
あらためて語ってもらいました。

ポイント:
畑岡奈紗が今重きにおいていること
畑岡奈紗は自分のゴルフをよく知っている
畑岡奈紗の強さに影響与えている人は?
心の強さの裏付けって?

 

▼音声はこちら

 

 

▼テキストはこちら

—–レックスさん、奈紗ちゃん、やりましたね!
アメリカツアーで3勝目ですよ!

 

(REX) 凄い!本当に凄い!

 

 

—–そうですね。
強くなっているのは去年から目に見えて
ありました。春先早々に勝ったというのは
奈紗ちゃんにとってもこれからの弾みに
なるんじゃないでしょうか。

 

(REX) そうですね。今シーズン春先ここまでは
さほど調子が上がってなかったという状況で
スタートしていました。そんな中でも調子が
上がってきたらいきなり勝ちに結びつける
というのは凄い力をつけてきているんですね。

 

 

—–奈紗ちゃんが最初のQTを受けるころから
レックスさんは奈紗ちゃんの様子を近くで見る
チャンスがたくさんありました。この3勝目に
結びついている奈紗ちゃんのいちばん
インプルーブメント(上達)したことろは
どこだと思いますか。

 

(REX) これは
みんなのゴルフダイジェスト4月2日号
コメントしたんですが、彼女のゲームは
試合で勝つことを前提にすべて組み立てられている
ように思います。

先週の試合の最終日で特に光っていたのは
ウェッジショットだったと思います。

100y前後のショットから
グリーン周りのアプローチもそうなんですが
ライフラインと言ったらいいのでしょうか、
スコアリングショットと言ったらいいのでしょうか、
100ヤード以内からのショットの幅の広さが
素晴らしいものがありますよね。

その中でいろんなテクニックを使って戦った
と思いますが17番のPar5の3打目だった
かな、フルショットじゃないんだけど85%
くらいのスイング幅で打ったショットでも
しっかりインパクトを作って、尚且つ、
あそこに狙ったところにしっかりスピンを
かけてボールをダウンヒルに落として
ピンに絡めていく。

そういうショットが勝負所でできるのは
普段からかなりいろんなショットを練習していて
自分で手で投げるよりもっと凄まじい感覚が
彼女の中にあると思いますね。

アプローチウェッジを持った時の距離感、
スピンコントロールすべての引き出しの数が
最後の最後ででて勝ち抜けた試合だったと
思いますね。

 

 

—–苦労の中で身につけてきた、
そんな技術なんでしょうか。

 

(REX) まず1年目で彼女が苦労したのは
飛距離の差ですよね。

それで自分のスイングが分からなくなって、
体力的にもおかしくなって大失敗した1年目。
それを踏まえて去年からゲームを見直して、
ということなんですが

それで、彼女の中である意味「飛距離」というのは、
「戦ううえでの十分な飛距離」としてとらえるように
した
んだと思います。

トップ10、トップ5の飛距離でやらなきゃならない
という意識はもうなくなっているんだと思います。
結果的にもっとボールを飛ばしたいというのは
あるんだと思いますが、そういうところではなく
戦えるだけの飛距離で満足する。

じゃ、あとどうやって勝ち抜けていくかと
考えてゲームを作るようになってきたと
思いますね。

だから、アイアンショット一つとっても
先ほどウェッジゲームに触れましたが
他のもっと長いクラブでもそのアイアンショットの
クォリティーの高さということろにも
目を向けていると思います。
そういうところから始まってるんだと
思います。

アプローチも100ヤードもそうだけど
20ヤード、30ヤードのグリーン周りから
どれだけ違うショットを打てるかと。

そこで差をつけていこうという
彼女のゲームの構築の仕方が変わってきたんだ
と思います。

それが抜きんでているから今回の成績にも
つながってきていると思いますし、
パッティングはもちろん、もともと非凡なもの
があって入り始めたらとことん入るという感覚を
持っていますが、その感覚というのは年に
何回もでるものじゃない、
ということも彼女はわかっているんだと
思います。

それでその感覚が出る時間を長く保つために
努力はすると思いますが、けっしてそれを
追及するために自分の首を絞めるというわけでも
なく、悪い時は悪いなりにその中でもゴルフを
作っていこうとする、
ツアーで戦っていくうえでの経験を
歩み始めていると思いますね。

すべての面でスマートですよね。

勝つために必要なことを自分の中で整理できてきて
結果もでてるからそれに確信をもって
進んで行ってるんじゃないでしょうか。

 

 

—–自分のゴルフのことをものすごく理解しているんですね。

 

(REX) 今度は世界1になるために何が必要かという
ところで自分のゲームをつくっていく段階になると
思いますね。それでどういうところに視点を置いて
これからやっていくか、
そんな世界に入り始めましたね。

 

 

—–誰かそういうことを考えるうえでのメンターはいるんでしょうか。

 

(REX) 小さい時から中嶋さんと、技術的なこと
よりも中嶋さんといろんなゲームの奥深さ、
超一流選手の頭の中を見せてもらって育っている
というのは大きいと思いますね。

それプラス、フロリダでは松山君との親交もあって
話を聞いて、彼の練習の姿勢というのも見ながら
何が必要かということを自分の中で吸収していってますよね。

 

 

—–体づくりをすごくしているのが、
奈紗ちゃんのからだをみてもすごくわかりますが、
それは松山君があれだけからだをしっかり
作っているのを見ているからなんでしょうか。

 

(REX) そうですね。
からだづくりの大切さを松山君のトレーナーの
飯田君からさんざん聞いていると思いますし
今の斎藤トレーナーも彼女の要求に対して
的確な答えと要求を満たすトレーニングを
していると思います。

トーナメントプロであるためにすごく貪欲な選手
ですよね。自分がうまくなるためにどうしたら
いいかを常に考えながらやっていますね。

それができる時期なんでしょうね。今がね。
それで結果もついてきているからそれが楽しくて
苦にならない。努力している=すごく楽しいと
思える時間になっているから
まだまだ上昇気流に乗って行くような気がしますよね。

 

 

—–最終日インビ―・パークとの同組で
すごく緊張したと本人のコメントをみましたが、
そんな中でも勝てるというのは
彼女の心の強さなんでしょうか。

 

(REX) あるんでしょうね。
負けん気の強さというのは
プロはみんな持っているものだと思いますが
結果がでているから奈紗ちゃんはその先を言ってると
我々は容易に言いやすいのですが

難しいね・・・

みんなそれぞれ強さはあると思います。
みんながすぐに結果が出ているわけではなく、
みんな心が強いけど結果が出ない。
それはなぜかというと
技術の裏付けがないからということもあると
思います。じゃ、その技術の裏付けをどう
つくればいいのかというところから
みんな練習するから、
結果的に勝負所で技術の裏付けがあるから
心の強さも光ってくる
、という
奈紗ちゃんの場合はいい方向にまわっていると
思いますね。

心が強いだけで勝てるというそんな簡単な世界では
ないので、でも、心が強くないと勝てないし、
勝てるだけの心の強さは奈紗ちゃんはあると思うし
それで結果を残すだけの裏付けをめざして
彼女は練習をしているんじゃないでしょうか。

それが結果につながっているんじゃないかな。

 

 

—–わかりました。
今週はメジャーのANA Inspirationがあります。
そのあとも大きな試合が続きます。
ますます奈紗ちゃんの活躍をすごく期待して
楽しみに見ていきたいと思います。

(聞き手:Miho)