ライフタイム会員権

アメリカのコースには大きく分けて3つの
形態があります。

プライベートコース、セミプライベートコース、
パブリックコースです。

今回はセミプライベートコースの面白いメンバーシップ
についてリポートします。

セミプライベートとは、基本的には会員制ですが、
ビジターもウェルカムというコースです。
だれでもプレーできるのにどうしてメンバーになるのか。

その理由の大半は、プレー代が安くなるからです。
だいたいグリーンフィーは必要なく、カートフィーだけで
プレーできます。また、プレーの予約がビジターより早く
できる点もメリットのひとつです。

さらに、メンバーならではのイベントに参加できます
(月例、クラブチャンピオン、メンバーゲストなど)。

ここで気になるのが入会金ですが、私の住んでいる
ノースカロライナやフロリダでは、2000~5000ドルで
会員になると、それ以降に日本でよく徴収される
年会費の代わりに、月会費として50~300ドルが
必要となります。

月会費は往々にしてマンスリーミニマム
(毎月最低限使う金額)という形で請求されます。
これは、例えば、100ドル以上お金を使わなければ
いけないという決まりです。

かりに全くその月にコースに行かなくても、100ドルは
支払わなければなりません。それゆえに、メンバーに
なってもいいが、マンスリーミニマムが馬鹿らしいという
ゴルファーが多数いるのも現状です。

そんななか、ジョージア州アトランタ郊外にある有名な設計家、
アーサー・ヒルがデザインしたオールドアトランタゴルフクラブ
(Olde Atlanta GC)ではユニークなメンバーシップを募集し、
好評を得ています。

ヘッドプロのスコット・ショーブ(Scott Shobe)氏に
そのシステムを聞いてみました。

それは、「ライフタイムメンバーシップ」というもので
通常のメンバーシップが1年ごとに更新するのに対し、
これは文字通り、一生有効なメンバーシップです。

まず、入会金は通常のメンバーシップが3000ドルに対して
2万ドルです。これは平均的はプライベートコースの
入会金と同じ額です。

このライフタイムメンバーの特徴は、まずカートフィーが
通常メンバーの半額。プレー予約も通常メンバーより1日早く
できる。さらに、なんとマンスリーミニマムがないのです。

そして、何らかの理由でコースの営業権が他人に移る場合には
入会金は全額返金されるとのことです。限定で20名ほどの
募集はすでに完売し、ウェイティングリストまで存在している
そうです。

このメンバーシップは売買できませんが、以上の理由から
このシステムは好評のようです。20名×2万ドル=40万ドル。
入会金でどれだけコースの運営が楽になったか、
今更言うまでもないこと。

何と言っても、月会費を免除するという、このメンバーシップの
特徴が大きくゴルファーたちにアピールしたようです。

アメリカではありきたりな形でメンバーを募集しているコースが
ほとんどですが、このようなケースは始まったばかり。
しかし、多様なパターンの会員募集から、こうしたゴルファーたちの
ニーズを満たすものが現れるのではないでしょうか。

(by REX  2005年ゴルフ場セミナー12月号「REX倉本のアメリカンな話」より)