USLPGAルーキー諸見里しのぶプロのなんともハードな一週間

昨年、日本のLPGAの仲間入りをし、たった3試合の出場で2006年度のシード権を
手に入れた諸見里しのぶプロ。
昨年末は、さらにその勢いに乗って、USLPGAのQスクールも9位に入賞し、
今年のアメリカでのツアー出場権をゲットしてしまいました。
まだ19歳のあどけない表情が残る少女にそんなパワーが
潜んでいるとはまったくの驚きです。

その諸見里プロのスイングコーチ江連忠さんと私の主人の倉本泰信が
長い間の友人だったという縁もあり、
私は彼女のアテンドとしてアメリカでともに
LPGAツアーを転戦することになりました。
そして、USLPGAツアールーキーの何ともハードな日々を
身をもって体験することになりました。
今回はルーキー諸見里プロの1週間(フロリダ州)の様子をご紹介します。

日曜日。試合が終了し、その夜のうちに次の試合会場へ移動します。
車で4~5時間の移動距離の場合はレンタカーでキャディと私で運転します。
プロはまだ運転免許がないので車の中でひたすら仮眠をとります。
少し遠方になると飛行機を利用しますが、それでも時にはコースを
4時に出て次の試合会場に到着するのが真夜中の12時を過ぎることもあります。
アメリカの広さを実感する瞬間です。
この移動中にいかに仮眠をとるかがプロにとってのキーポイント。
諸見里プロは幸いどこでも眠れるようで旅をするゴルファーとしては問題ありません。

翌日月曜日。会場でマンデートーナメントやプロアマ戦が行われるので、
その間を縫って9Hを何とかプレーします。
この日は練習も軽めに済ませ、とにかくリフレッシュと休養を
できるだけとるようにします。
先週のフロリダではプロが大ファンの映画「タイタニック」博物館へ
足を運び気分をリフレッシュしました。

火曜日。指定練習日なので18Hみっちりとプレーをして、
その会場の雰囲気をつかみます。
よくプロがトーナメントをプレーしている時に必ず持っている
ヤーデージブック(コースメモ帳)がありますが、
諸見里プロのヤーデージブックはコースに関するメモはもちろんのこと、
外人キャディとのコミュニケーションで使う
英語のフレーズや英語の単語のメモがいっぱい書き込まれています。

はじめてのアメリカツアーでの一番の心配事は言葉の問題。
幸いにして先月末から日本語が少し話せるオーストラリア人のキャディDeanが
助っ人として駆けつけてくれました。
今ではDeanはキャディとしてだけではなく、
プロの英語の先生としても力になってくれる心強い味方です。
プレーの後はひたすらボールを打ったり、
パッティングやアプローチの練習をして1日を過ごします。
火曜の夜はその試合のスポンサーによるパーティーがあり、それに出席。

水曜日。LPGAオフィシャルプロアマ戦が早朝から行われます。
賞金ランキング上位者はこのプロアマ戦に出場することが義務となっていますが、
ルーキーは基本的にはプロアマ戦に出場できません。
それで十分な練習ラウンドをするためにどうするかというと、
そのプロアマ戦がスタートする7:00am(たいていの場合)よりも前に
ティーオフするのです。
9Hのプレーが許可されています。夜明けが今の時期でだいたい6:30am頃ですから、
7時までの30分間のあいだにスタートすることになり、
プレーできる人数も限られています。
ティーグランドに到着した選手順にスタートできるので、
ナントそのスタート順を確保するために
選手たちは6時ごろからティーグランドに行って夜明けを待ってスタートするのです。
諸見里プロももちろん6時にはティーグランドに到着してスタートの順番をとります。
まだ真っ暗なゴルフ場に数十人のプレーヤーたちが場所取り?のために
並んで待っている様子はなんとも不思議な光景です。
これも十分な練習ラウンドをするためなのです。
こうして9Hプレー終了後、しっかりと午前中練習をして最後の調整をして初日に望みます。

そして試合4日間(もしくは3日間)。
ルーキーの初日、2日目のスタート時間は、
いわゆるゴールデンタイムに組まれることは皆無で、
ほとんどの場合が早朝7時前後か午後の最後のあたりに組まれます。
早朝スタートとなれば、朝4時頃から起きてその日のルーティーンがはじまります。
日が出る前からライトアップされた練習場でボールを打ち、
長い影のできるグリーンでパッティングの練習をしてスタートします。
今までこんな風に夜明けを待ってゴルフをするなんてことはなかった…
と諸見里プロもびっくり。
でももっと驚くのは他の選手たちはそんなスケジュールを
当たり前のように毎週繰り返して、
まったく疲れた様子もなく試合で活躍しているのです。
本当に精神的にも肉体的にも鍛えられています。

今年のLPGAは19歳のポーラー・クリーマーや17歳のモーガン・プレッセルなどの
若いルーキーたちも話題に欠かせない存在になっています。
さらに宮里藍プロがQスクールでダントツのトップ合格をして
日本人にとっても注目度はかなり高くなっています。
その中で文字通り体当たりの挑戦をしているルーキー諸見里しのぶプロ。
苦しみも多いのも事実ですが、日に日にたくましくなっていっている彼女の姿を見ると、
今後の活躍がとても楽しみです。

(by 倉本みほ 2006/05/01 )

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