ローリー・マキロイの優勝!松山英樹トップ10!The Playersは面白い!
いやー、面白かったですねー。
誰が勝つか最後までわかりませんでした。
後半の9ホールではそれぞれの選手の
「勝負のショット」
が随所に見られ、これぞゴルフの醍醐味を
見てる私たちも感じました!
そして、トーナメント終盤、
ローリー・マキロイが16番で2オン、
そして、惜しくもイーグル逃しのバーディーで
混戦していた優勝争いから1歩抜け出しました!
その後難しいホールが続く17番、18番も
素晴らしいショットを放ち16アンダーでフィニッシュ。
誰もローリーに追い付くことができずに
ローリー・マキロイの優勝!
今年のThe Playersは3月開催ということで
気候も例年の5月の日差しのきつい暑さではなく、
お天気が良くても北風がまだまだ冷たく吹く
肌寒い1週間となりました。
雨が降ったのでコースは全体に柔らかく、
グリーンも止まりやすいセッティング。
5月開催で何度もプレーしている選手にとっては
コースが長く感じたとコメントも多かったようです。
NHKの放送でラウンドレポーターとして
現地に行っていたレックスさんに
2019年のThe Playersを振り返ってもらいました。
どんなプレーをローリーはしていたのでしょうか。
そして、松山選手の週末の巻き返しの様子も
聞きました。
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—–レックスさん、
先週はThe Playersの現地レポーターとして
フロリダのジャンクソンビルにある
TPC Sawgrassに行ってきました。
ローリー・マキロイの優勝で
The Players終わりました。
この試合は、トッププレーヤーが勢ぞろい、
規模も大きく、ゴルフ場も素晴らしい、
ギャラリーもいっぱい、という
華やかなトーナメントでした。
(REX) 試合自体、ものすごく盛り上がりましたね。
マキロイが勝って、48歳のジム・フューリックが大活躍。
松山選手は週末、怒涛の巻き返し。
見ごたえ満載の試合でしたね。
—–3日目、マキロイが最終組でプレーしましたので
そこでレックスさんはラウンドレポーターとしてついて
1日マキロイのプレーを見ていましたが
そのあたりから、マキロイが勝ちそうな雰囲気は
でていたのでしょうか。
(REX) 土曜日のプレーにはさほど出ていなかったけど
その調子が悪い中を何とか2アンダーでまわりきった、
ということですごかったです。ですから、
日曜日は勢いづいてくるのかな、と思いました。
土曜日ラウンド後、インタビューもせずに
すぐに練習場に直行。
ひとりで黙々とボールを打っていました。
日曜日のスタート前の練習は、
マキロイひとりだけ、練習場の反対側にも打席があるのですが
(Sawgrassの練習場は対面式になっています)
週末はほとんどの選手は手前のティーから打つんですが
マキロイだけは奥のティーから
向かい風に向かって練習していました。
今まで5年間ここSawgrassの試合を取材してきてますが、
マキロイは大概手前のティーから打って
ギャラリーたちの反応を楽しみながら
ウォーミングアップするタイプなんですが、
今回の日曜日に関しては、ひとりだけ
奥のティーから黙々とボールを打って、
アプローチも練習して、最後の仕上げのパッティングを
1番ホールの横のグリーンでした、という
いつもとは違うルーティンできましたね。
それで、1番ホールティーショット、
まともな向かい風の中、大きく左に引っ掛けたんですが
全体的にスイングをスライス系のスイングで
先週は戦っていました。
マキロイと言えば、ダウンスイングから切り返しで
体軸を少し右に寝かして、クラブを強烈にインサイドから
入れて、豪快な切り返しから凄まじいフック系のボールを
打つんですが、
先週に関してはそれを封印して
どちらかと言えば、真っすぐな軌道のボールを
打っていました。
結果的に普段のマキロイの飛距離はでないんだけど
飛距離よりも正確性、ということを念頭に、
正確性というよりも左にフックボールを打っているときに
1発、2発ある左に大きく曲がるボールを警戒して
ずっと戦っていたように思います。
ですから、自分の一番の長所と考えている飛距離を
封印しながらも、左へのミスを警戒してのラウンドの
1週間だったんじゃないでしょうかね。
—–コース自体も池が多いし、けっして広いフェアウエイでは
ないというコースセッティングに合わせてのマネージメント
だったんでしょうか。
(REX) それもあるし、マキロイはここ2年くらい
結構スライス系のボールを打つ練習をしているんです。
マキロイは基本的にはフック系のスイングなんですが
スライス系のボールもコントロールできるように
自分のゲームの幅ができるように戦い始めていて
その中でもスライス系のボールを打ってミスをして
試合に勝ちきれないのがずっと続いていていたんだけど
今回はあえてフック系ではなく、スライス系のボールを
打ってますよね。
スライス系でもだいぶ勝負でき始めているので
彼のゴルフの、とんでもない世界ランク上位の人間の
試行錯誤によって、右と左のボールをちゃんと
コントロールできる感覚もついてきているんじゃないでしょうか。
—-最終日はレックスは最終組に着きましたね。
(REX)ジョン・ラームとトミー・フリートウッドです。
展開さえよければ勝ってもおかしくない選手ふたりだった
ことはまちがいないことですが、
やはり最終組ででて、そのプレッシャーを感じたうえで
自分のパフォーマンスができる
例えば、タイガーとか、フィル・ミケルソンとか・・・
まではふたりはいってないのかな、って気がしましたね。
最終日のこのふたりは、とくにフロント9は
ちょっとちぐはぐな攻め方が続きましたね。
バック9にかけて自分をコントロールして
勝負をバック9にかけていたのかもしれませんが
その点でもあと1レベル、2レベル、本当の意味での
トップの選手たちよりもちょっと劣るようなところは
見えましたね。
—–その部分でもローリーが勝っていた、
経験値も高かった、ということなんでしょうか。
(REX) ローリーはさんざん悔しい思いをして
勝つためには何が必要かという上でのゲームプランが
ひょっとして初日からできていたのかもしれませんね。
—-試合の後半、いろんな選手が上位に上がってきて
本当に最後まで誰が勝つのかわからない展開で
見てるほうは非常に面白かったですよね。
(REX) ベテランのフューリックが頑張りました!
逆に彼の場合は、勝ち方を知り尽くしている、
自分のゲームを知り尽くしている、という
引き出しの多さから、週末でもずっとスコアーを伸ばして
最後の最後まで優勝争いに絡んでこれた、
やはり彼のゲーム運びの上手さ、
経験値の高さ、そして、ゴルファーとしての本能的な
心の強さを持っているんでしょうね。
その彼の活躍が光った1週間でしたね。
—–今回NHKでお手伝いさせてもらって
解説の田中秀道さん、ラウンドレポートのレックスさんもいて
お二人のお話でよく「今のは勝負のショットでしたね」という
コメントを何回も聞きました。
(REX) 勝負のショットを打たなければならない、という
まずコースのお膳立てがありますよね。
それとともに、勝負のショットをしないと勝ち抜けない、
というだけの選手層の厚さ、というのもありますよね。
そのどちらかが欠けてもあんなにエキサイティングに
ならなかったと思うんだけど、世界最高峰のPGA TOURで
尚且つ、第5のメジャーと言われているこの試合、
このコースセッティングがあるから
選手たちが考えに考え抜いてこのホールで勝負をかけよう
っていうのが、最終日スタートする前から青写真で
あったんだと思うんだよね。
そして、そういう状況に置かれてリスクを冒してでも
攻めていく選手たちの腹の決め方を楽しめる、
凄い試合ですよね。
16番、17番、18番がそうだよね。
今回に関しては11番パー5のセカンドショットも
そうだったし、ここが勝負だ、と選手たちが挑んで
成功したり、失敗したり、
そういうのが見られるというのは面白いですね。
—–日本の松山選手は週末一気にトップ10に
入りましたよね。
(REX)初日、2日目もけっして悪いわけではないんですが
調子がいいからこそ逆に、腹をくくってイチかバチかという
攻め方ができずに無難に無難にいった結果が
初日、2日目の成績になったと思います。
それで裏目裏目にでて波に乗れずに終わった二日間で
一時期は予選落ちを覚悟したと思って
結果的にカットラインギリギリ入りましたね。
1回失ったチャンスがまた舞い戻ってきたということで
行けましたよね。それで週末のプレーは
本当に素晴らしかったですね。
ドライバーが安定してきたというのが何よりなんですが
何といってもアプローチが凄いわ。
あのスピンのかけ方は凄い!!
試合になったらなかなかあの思い切りの良さが
できらなかったけど
週末はでてましたね。
見事だった。凄い!
—–松山選手の調子は上向き?
(REX) 今年からずっと上向きだし、早いうちに勝ったら、
今年だけでも2勝、3勝できるくらいの状況に仕上がりつつ
あるような気がしますよ
すごい、イイ感じよ。
—–レックスさんはこの後はどんな予定ですか。
(REX) 今週木曜日に日本に帰って、シニアツアーの予選会に
行ってきます。その後、またオーランドにとんぼ返りして
次は女子LPGA TOURの解説があります。
—–それではレックスさん、
自分のゴルフをまずは頑張ってください!
有難うございました。
(聞き手:Miho)