スカラシップでアメリカの大学のゴルフ部に入る!~レックスの場合

先日、オクラホマ大学在学中の
黒崎優香さん、有本花怜さんが書いた
「スペシャル版オクラホマ大学公開!!!」

を私のフェイスブックでご紹介しました。
アメリカの大学へ奨学金をもらって入学した
ふたりが、アメリカの大学の魅力を
正直に余すところなく紹介してくれている
素晴らしい記事です。

黒崎優香さんの記事はこちら

私も時期はかなり昔になってしまいますが、
高校3年生の時の出場した
世界ジュニアゴルフ選手権で
オクラホマ州立大学のゴルフ部コーチに声を
かけていただき入学への準備をしていました。

ところが、
広島の高校を卒業した後、
アメリカの大学に入るための英語力が足りず
高校卒業後すぐに1年間英語学校に通い、
1年遅れてオクラホマ州立大学に入学。

そこでのゴルフ部を1年間経たのち、
2年生の時にフルスカラシップで
イーストテネシー州立大学ゴルフ部へ転入。
それから4年間テネシーでゴルフに勉強に明け暮れ、
合計6年間かけて大学を卒業しました。

今となっては、この大学で過ごした日々の
ゴルフと勉強の、楽しいことと苦しいことを
やり切った経験はなにものにも代えがたい
今を生きるエネルギーの源になっています。

これまでジュニアゴルファーと接する機会があれば
アメリカの大学でゴルフするのは楽しいでー、
とできる限り私の経験をお伝えしてはきましたが、

最近、少しずつですがスカラシップで
アメリカの大学ゴルフ部へ進むゴルファーも
見聞きするようになってきたので、
ここで、あらためて私なりの
アメリカの大学ゴルフ部は楽しいでー、を
ぜひジュニアたちの進路の選択肢として
興味を持ってもらいたいのでお話しします。

今後も経験者として、アメリカの大学に関する
情報や関連事項はアップしていこうと思います。

(私の大学での悪戦苦闘ぶりにご興味のある方は
「レックスものがたり」をご覧になってください

▼音声はこちらから

 

 

▼テキストはこちら

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ポイント:
アメリカの大学の魅力はコレだ!
アメリカの大学入学への第1関門
アメリカの大学入学後の第2関門
アメリカ社会での大卒アスリートの評価
アメリカの大学のアスリートスカラシップの
恩恵は受けるべき

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—–今日はレックスさんにアメリカの大学の魅力
についてお話を聞きたいと思います。

先日、私たちも良く知っている有本花怜さんと
お友達の黒崎優香さんがこちらの大学の魅力について
記事をFBであげてまして、それをレックスも私も
シェアさせていただきました。

こちらの大学についてレックスに聞きたいのですが、
日本にいるジュニアゴルファー達に
レックスの感じたアメリカの大学の魅力を
伝えるとしたら、どんな点をあげますか。

(REX) 練習環境が素晴らしいということですね。
そして、練習することにコストがかからない。
競技経験も積める。
絶対的に上手い選手も多い。
なおかつ勉強もできる。
これを使わない手はないと僕は思っています。

—–いいことがありすぎる!!
日本にいて、アメリカの大学の魅力をそこまで
知るチャンスがないと思うので、
今回の有本さんと黒崎さんの記事は
日本の方に大学の魅力を知ってもらうという点では
すごく有意義なものだなと思っています。

まず、アメリカの大学に興味を持ったとして、
いざ入りたいと思った時に、
英語と勉強のことが非常にハードルになると思います。

特に今のジュニアゴルファーは
ゴルフに一生懸命になって
学校の勉強がおそろかになっているという現状も
あると思うんですが、その勉強について
レックスはどう思いますか。

(REX)勉強はねー、実は僕も大学に入って
はじめて真剣に勉強したという経験をしました。
もちろん中学高校と勉強をしなかったわけじゃ
ないけど、そこそこしかしなかった。
で、大学で真剣に勉強しましたね。

でもそれは、自分の大学を卒業してからの人生に
すごく役に立ってると思いました。
勉強の内容が役に立ったというよりも
勉強をした、というそういう努力をしたという経験が
僕にはすごく役に立ってますね。

—–レックスは高校3年生になってから
アメリカの大学に行くという選択肢がでてきて、
結構間際にその話がでてきて
大慌てしたと聞いてますが、
その大学に入るまでの勉強の
レベルになるために実際どういう風に
乗り越えたんですか。

(REX) 大学に入るために、
みなさんご存知だと思いますが、
TOEFLという英語のテストを受けるんですが
当時僕が受けたとき500点取る必要があったんですが
僕が最初に受けたときは360点しかとれなかった。

500点までもうすぐそこじゃん、って思ってたんですが
あれは平均点が460点くらいらしく、
最低でも330-350点くらいはあるらしくって
360点というのは受けた人全体の中で5-10%くらい。
500点というのがだいたい80%くらい。
600点なら上位10%…となるようなんです。

勉強のレベルが高い大学に入るための基準点が
600点とかってあるんだけど、
僕の大学では500点でした。
他の同じようなレベルの大学でも500点が
スタンダードだったようです。

その500点をとるために僕は1年間勉強しました。
その間、ほぼほぼゴルフは何もすることができず、
ひたすら英語の勉強だけ現地で1年間しました。
大学に入るのがこれで1年遅れました。

—–じゃあ、大学のコーチは困りましたね。

(REX) だから僕が受かったときには
僕のために与えるはずだったスカラシップは
なくなって、僕は大変なことになりましたよ。

でも、入学には十分は点数はとれましたから
大学には入学できました。

—–そして、さらに入学したらしたで今度は
勉強の成績の平均点が何点以上ないと部活ができない
というNCAAルールがあったんですよね。
今もありますね。

(REX) 有本さんたちの記事にも書いてあったと思いますが
大学でスポーツをするためには、
成績の平均点が4点満点中2.5-2.75点
(記憶が曖昧ですが)
をクリアしなかったら次のセメスター(学期)で
部活ができないんですよね。

部活ができないということは
奨学金も停止される場合もあるので
選手たちは死に物狂いですよね。

—–それで人生ではじめて勉強をした。

(REX) まず英語のテストに受かるために
人生で初めて勉強して、
そして、やっと入学して部活ができると思ったら、
次は部活するために勉強していましたね。

—–そこはなんとか現地に行けば
乗り越えられるというものなんですかね。

(REX) 自分がやる気になれば乗り越えられますよ!

—–その勉強のことをクリアすれば、ゴルフは思う存分
できるということですか。

(REX) もちろん!
部活環境は素晴らしいです。
僕の場合は、オクラホマ州立大学のときは
2コース練習できるコースがありました。

イーストテネシー州立大学に転入してからは
大学の近くのコースで4-5か所のコースが
連絡すればいつでもプレーさせてくれるところが
ありましたね。

僕の当時は練習場がなくて、
フットボールフィールドで選手たちが
練習していないときに、
フットボールフィールドの中で
ボールを打っていました。
今は、5億円以上かけてゴルフ専門の練習場を作って
そこでみんな練習をしているようです。
天国のような環境です。

—–日本はまだジュニアゴルファーにゴルフだけを
一生懸命させなさい、という親御さんとか先生がいる
風潮があると聞いてますが、それについては
どう思いますか。

(REX) ゴルフだけしたらいい、というのは
僕はいいことはないと思いますね。
プロゴルファーになればいいんだ、
それだけの過程のために大学に行くというのは
時間を過ごす上ですごくもったいないですよね。

それで得られるメリットも
ないわけでなないのでしょうけど
自分のことを振り返ってみたら
学生時代の大学に入るまで、そして
大学に入ってからゴルフをしながら勉強していた
という経験はすごく役に立っています。

大学で学んだ知識が役に立つんじゃなくって
ゴルフ活動をしなければいけないために
半強制的にさせらされた勉強なんだけど
そうやって勉強するっていうことを
勉強したのかな。

ある意味、努力だよね。ベタな言い方したら。
努力するっていうことはすごく大事なことだと
思うんですね。

それが、「何かのために努力する」ということ
なんだけど、

……なんて言ったらいいのかな。

ゴルフ以外の違う視点が開けてきたような
感じがしますね。勉強してきたことによって。

—–ジュニアゴルファーたちが
プロゴルファーになりたい
という夢は持っていてほしいし、そのための進む道の
一つの選択肢としてアメリカの大学に行くというのも
ありますよ、ということを知っていてほしいですよね。

(REX) 大学でゴルフをするということは、
先ほど言ったようなメリットがありますが
それとともにアメリカの社会では
名誉なことでもあるんですよね。

アメリカで活躍している人はビジネスの世界でも
大学に行っている人がほとんどだと思いますが
そういう人たちも大学のアスリートたちがどれだけ
勉強しているかということをみんな知っているし
アメリカの社会全体がそれを理解しているからこそ
それをしっかりやりぬいている人はそれなりに
評価してもらえると思います。

僕も自分なりにも卒業できたことは
自分の自信にすごくなっています。

できたらこれからのジュニアたちにも
そういう経験をしてもらいたいですね。

全額奨学金をもらっての大学の部活は凄く良くって
授業料いらない、生活費もいらない、寮費もいらない、
食事代もいらない、試合の経費も全部大学持ち、
試合中の食事も大学持ち、持ち出し一切なし。

そして、今学生が頭悩ましている奨学金問題、
奨学金を払い戻すということだけど、
大学のスポーツ選手の奨学金は返済しなくてもいい。
もらいっぱなし。

だからこそ、大学の運動選手がプロになったら
今度それを還元するために自分の稼ぎを少しずつでも
大学に還元しているんですよね。
与えられたら与え返す、というのが
アメリカ社会を構築している基盤なんですよね。

—–日本人のジュニアゴルファーも
世界ジュニアゴルフ選手権に出場したり、
世界各地のジュニアゴルフトーナメントに
出るチャンスが増えていると思います。

そこに大学のコーチもリクルートで来ていますので
声をかけてもらえるチャンスもこれからどんどん
増えてきますよね。

そんなとき、高校2年3年で声をかけられて
本人が行く気になっていても、英語や勉強で
入学基準を満たさないということがあれば、
チャンスを逃す残念なことになってしまうことも
あるかもしれないので、

ぜひ、早い時期にアメリカの大学に行くルートも
あることを知って、興味が少しでもあるのなら
その準備ははやくからしてその時に備えることも
してほしいと願いますね。

(REX)そうですね。
大学ゴルフ部に関して、ディビジョン1の大学の
ゴルフ部部員をみてみても、ほとんどの大学に
外人部員がいるんですよね。

例えば2-3年前のデューク大学女子のゴルフ部は
ゴルフ部員はだいたい10人しかいないんですが
その10人全員が外国人なんです。

世界中から今はこのアメリカの大学のシステムの
恩恵を受けようとみんな来てるんですが、
日本人の数が少なすぎますよね。
そういう意味でも、4年間アメリカでのゴルフ部の
活動や大学の試合でもまれて強くなっている選手は
世界中でたくさんいるのに、その恩恵を受けた日本人が
今現在皆無に等しいから、これって
日本のゴルフ界全体を考えても
ディスアドバンテージですよね。

—–アメリカの大学経験者として、レックスにも
今後この話題に関連することはどんどんこの場で
お伝えしていってもらいます。

レックスの後輩も今、
イーストテネシー州立大学ゴルフ部に
1年生で通っている呉司聡くんがいます。
また、司聡くんにも大学の話を
聞いて、この場でお伝えできればと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(↑左から3人目が司聡くん。ETSUのチームみんなと)

 

有難うございました。

(聞き手:Miho)