フォルトン・アレンの人生・・・



Fulton・Allem(フォルトン・アレン)という名前を聞いたことありますか?

Golf Magazine3月号で彼のインタビュー記事を読んだんだけど、
かなり大変な人生を送っているので、ちょっと紹介します。
彼の存在は知っていたけど、こんなに大変なことがあったとは・・・。
一昔前のプロアスリートってこんな人がけっこう多かったみたいですね。



以下、Golf Magazineより


フォルトンは1993年にColonialに勝ち、そしてWorld Series of Golfにも勝ち、 10年シードを獲得した選手です。
そして10年後、彼は47歳。
2004年12月4日、午前4時30分、彼は自分の家を引き払い、 愛する家Heathrow(フロリダ)を愛する妻ジェニファーと
子供達とともに 自分の生まれ故郷サウスアフリカに帰った。

ツアーの中では彼はちょっとした問題児で、彼の歯に衣着せぬ発言と
誰をも恐れない性格はたくさんの敵を作ると共に、たくさんのファンも作ったようです。

ツアーの中では強面で有名なハル・サットンでも彼のことを ”The bearer of truth”(バカ正直な男、
飾らない男とでも訳したらいいのでしょうか)と呼んだ。


彼の人生の転落は彼の人生の絶頂の時に訪れた。

彼が初優勝を飾るColonialの試合での土曜日のこと。
彼の前妻はサウスアフリカにバケーションで子供と一緒に帰った。
そして、ツアー初優勝をとげたあと、サウスアフリカ時間の日曜日の午前、
彼は妻に初優勝を告げようと電話をした。

「オレはグレッグ・ノーマンを下して初めて優勝したよ!!」

すると妻は、「もう、あなたのことを愛していないの。離婚したいの。」これが妻の答えだった。

うわっ、かわいそ〜・・・鬼のような嫁さんやな・・

しかし、妻の両親が彼女に、もう少し一緒にフォルトンといたら彼はもっと稼ぐかもしれないから離婚はしないほうがいい、
と助言したので彼女は離婚をせず、またフォルトンのもとに戻り生活を共にした。

なにそれ!嫁も嫁ならその親も親やな・・・女はおそろし〜

それに気を良くしたフォルトンはWorld Series of Golfに勝ち、
たくさんのお金と共に10年シードまで手にした。
そして、彼女に大きな家を買い与えた。

ところがである。

彼女はこの直後、彼女のボーイフレンドとともにフォルトンのもとを去った。
離婚である。

最悪〜・・・

さらに、フォルトンは稼いだお金の管理を第3者に任せていたのだが、
その人が姿を暗まし彼のお金はすっかり消えうせてしまった。
後日、その持ち逃げした人物はロンドンのあるホテルで死体で発見。
もちろん彼のお金は無くなっていた。

さらに、フォルトンはIRS(アメリカの税務局)に税金を滞納していたので、
僅かずつだが毎月返済をしなくてはならなかった。

えっ、まだあるの??

さらに、フォルトンは3年前にラスベガスのミラージュカジノで8万ドルの借金を作ってしまった。
そのため毎月1000ドルの返済をしなくてはならなくなった。

さらに、去年のDoral Openの2日目のことである。
予選落ちをした彼のもとにアメリカ版・萬田銀次郎の登場である。♪おーさかのーよる〜
「お前をマグロ漁船に売り飛ばすぞー」とは言わなかったが、
彼の商売道具であるゴルフクラブ一式、そして彼が45ドルで買った安物の腕時計さえも
彼の借金の代わりに持っていかれてしまった。

助さん、角さん、もういいでしょう〜!

こんなところでとりあえず、悲しい話は終了。





さて、フォルトンは1994年に背中を痛めてからゴルフの調子は下降線。
背中以上に奥さんにハートをけちょんけちょんにされたんでしょうね。
ちなみに、現在彼はジェニファーさんと再婚し、二人の子供をもうけ私生活は幸せらしい。

あ〜よかったね。

彼は去年のアニカの男子プロ参戦につき、ちょっと一文句あるらしい。
彼女が参戦したColonialは彼は歴代優勝者である。
彼の意見はこうである。けっして私の意見ではないよ。あーこわい・・・。

”You can't put a Clydesdale in the Kenntucky Derby. And that's the bottom line."
直訳すれば、「荷馬車用の馬をケンタッキーダービーで走らしてはならない。それが基本中の基本である。」
荷馬車用の馬は重いものを運べるけどサラブレッドは荷物を運べない。
そして、サラブレッドは速く走れるけど荷馬車用の馬は速くは走れない。
りんごとオレンジを比べたらだめだよ。

うーん、田島陽子が聞いたら発狂しそうな発言である?!
ヴィジェイがこれよりちょっと優しくアニカの出場を批判した時、みんなに袋叩きにあったのにフォルトンは誰からも批判されなかった。
彼の存在感がちょっとわかるかな・・・。
彼はもちろんアニカのことを女性ゴルファーとして、女子ゴルフ界の中では尊敬していると言っている。


そして、フォルトンはタイガーにも一言あるみたいだ。
タイガーは常に上のレベルを目指して改造していると言うけど、
2000年、2001年の彼よりはけしてレベルアップしているとは思わない。
なぜかというと、彼は自分のNatural Rhythm(生まれ持ったタイミング)を失っているからだ。
ツアーの中でヴィジェイ・シン、アーニー・エルス、ジェイ・ハースは誰よりも素晴らしい タイミングを持っている。
そして、ツアーの中でそのタイミングに重点を置き 練習している選手は私は一人しか知らない。
ヴィジェイである。

超一流選手とアベレージ選手の境目はリズムであり、トップからダウンスイングの切り返しの時にほんのわずかな静止状態があるかないかである。 そして、タイガーは明らかに打ち急いでいる。(彼の次元の中で)

これってなかなか判りづらいかもしれないけど、すごく重要です。
彼はけしてトップでスイングを止めろと言っているのではなく、
切り返しで下半身の上半身の時間差からできるほんの一瞬の間のこと、
そしてなおかつ切り返しをスムーズに力強く、でも打ち急がない?????
調子のいい選手には必ず出来ているタイミングです。
いや〜言葉で説明するのって難しいな・・・。
私も勿論それを目指しているが・・・。
ファルトンはなかなかの洞察力でしょう?!



フォルトンは小さな時からゲーリー・プレーヤーと親交があり、
彼にいろんな人生の教訓を教えてもらった。
そのひとつに、”To be tenacious, to stay fit and not to smoke."がある。
「自分自身を持て!健康であれ!そして、たばこを吸うな!」という意味。

to be tenacious・・・これだけはとりあえず実行しているみたいですね。

そして、もうひとつの教訓。
”Believe in myself and to practice to maintain that belief."
「自分自身を信じろ!そして、信じる為に練習をしろ!」

なかなか素晴らしい言葉です。私もこの言葉を大事にしようと思いまーす。

そして、彼は今の現状をこう考えています。
”Sometimes you've got to take a step back in order to take two forward."
「時には2歩進むためには1歩下がらなければならない。」

水前寺清子の世界である。♪しンあわせは〜歩いてこない・・♪

そして、今は彼は現在の奥さんを"the most wonderful woman in the world"とよんでいる。

この点においては彼は1歩下がって2歩以上進んだみたいです。




以上、記事から(注:オレンジ色の文字はREXのコメントです)



フォルトンの今後は、サウスアフリカでツアーにでるか、違うビジネスをするか・・らしいです。
シニアツアーでまた見られるかもしれませんね。

プロゴルファーそしてアスリート全般に言えることは彼らはとても孤独な勝負をしている。
だから、家族のサポートは選手の素質以上に成功する上では大切なのかもしれない。
そして、家族を大切にする人は最後には人生の表彰台にあがれるのかな。
ちょっとキザでした。私の顔には似合わないかな・・・。

プレーヤーそれぞれいろんな人生劇場がありますね。
その横顔をわかっただけでも、ちょっと応援したくなりませんか。
ちなみに私の横顔はあまりカッコよくありません。その横顔じゃないか。ハハハ・・・





(REXのブログ ”フロリダ☆ゴルフライフ” 2005/02/22 より)


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