タイガーの思い



ゴルフダイジェスト(米版)2005年1月号にタイガー・ウッズのインタビュー記事が載っていた。
12月14日に私が書いた日記と関連してタイガーの思いが綴られていて興味深かったのでここに書き残しておこうと思う。



以下、ゴルフダイジェスト2005年1月号 "The Truth about Tiger" より


2004年の3月からハンク・ヘイニー(Hank Haney)とスイング改造をはじめた最大の理由は
タイガーのからだの変化にアジャストするためだと言う。

「2位と12打差をつけてぶっちぎりで優勝したマスターズのあとに、ぼくがスイングを変えようと取り組んだとき、
人々は、なぜぼくがスイングを変えたいと思うのか、と尋ねたが
それは、自分がいつも、より上手くなるためにいろんなリスク(スイングを変えるということ)を冒しても向上したいと思うからだ。
それに取り組んできたことが今の自分を築いてきたんだ。」


「これまで世界中でたったふたりだけ自分のスイングを築き上げたプレーヤーがいる。
それはベン・ホーガン(Ben Hogan)とモー・ノーマン(Moe Norman)だ。
私も彼らの世界にはいりたい、というのがぼくの最終的な目標なんだ。」


2002年にいちばん良いゴルフをしているときでもタイガーは常に自分のスイングに疑問を持っていた。
それは、タイガーの下半身の動きが速すぎるために上半身が追いつけず、
両手がからだのうしろにつっかかる(残りすぎる”stuck”)ため、インパクトで相当なアジャストを必要としていた。
下半身が速すぎる動きを修正するためダウンスイングで体重を右に必要以上に残すことでこの問題を解決していた。
しかし、これでは飛距離もロスし、正確性も失われていた。
左ひざへの負担も大きくなり、とうとう2002年のオフには左ひざを手術するまでになり根本的な問題解決の必要性を強く感じた。
ブッチ・ハーモンとの取り組みにも行き詰まっていた。


「スイングを変えるしかない」


(REX)このタイガーの下半身の強烈な強く速い動きこそが、
タイガーが他の選手とは違う抜きん出たプレーヤーたらしめている要素のひとつなのに、
そのことがタイガーの中での最大の問題となっているというのは面白い、というか皮肉だな。
私にしてみれば下半身がまわりすぎるなんて羨ましい悩みだ。(笑)



それからタイガーのスイング改造がはじまった。
改造のポイントは、もっとプレーンをフラットにし、インパクトエリアを低く長くすることだった
これは歴史的なプレーヤーのベン・ホーガンやリー・トレビノ、モー・ノーマンらのスイングにもみられる共通点であった。
そして、2004年春から本格的にハンク・ヘーニーとスイング改造に取り掛かることになる。


タイガーの目標でもあるモー・ノーマンが今年の9月に他界する数日前にタイガーについて次のようにコメントしていたそうだ。
「タイガーのスイングの一番の欠点はダウンスイングで右かかとが前方に蹴りあがり
右足の左エッジを内側にローテンションしながら蹴り上げる動きになっていない。
だからウエイトシフトがスムーズでない。それだけ直せばすぐに彼は復活するよ。」


今年のスイングの変化は誰の目にも明らかである。
今年のツアーチャンピオンシップの練習場で昔のタイガーのスイングにそっくりだった
アダム・スコットと一緒に並んで打っていたのを見ると、
タイガーのスイングは明らかに変わっているのがわかる。

タイガーも自分でスイング改造に手ごたえを感じている。
「練習場と練習ラウンドでは完璧に近く打てるようになった。
次はそれをコースの中にもっていく最終段階に入っている。
トーナメント中のミスは、ただ僕自身が新しいスイングを信じきれないがために 起こるミスなんだ。
スイング改造を達成するためには、この信じきることが最後の ステップになるんだ。


親友のマーク・オメーラも「タイガーが完全復活するのは間もなくだと信じている。
私はすでに新しいタイガーを知っている。最強のタイガーが生まれようとしている。」


今までの長距離ランニングにかえて、リハビリと水泳を重視したトレーニングの結果
タイガーの左ひざももよくなり、以前よりもひざも強くなっている。
新しいスイングによって今年の後半から初めて460cc、44.5インチのグラファイトシャフト ドライバーを使えるようになった。
インパクトゾーンが低く長くなったからだ。(ちなみに それまでは340cc、43.5インチスチールシャフト)


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以上、記事から



(REX)タイガーも私達とは違うはるか高い次元のところではあると思うけど スイングについての悩みがあるんだ。
どのプレーヤーも技術向上を思う限りは 死ぬまでこのスイングの悩みは続くと思う。
そして、スイングの癖、とくに ゴルフの成長期に身に付いてしまった動きは誰でもなかなか直らないものなんだな。

タイガーの言葉「変化を達成する最終ステップは信じきること」
これはすごく共感できる。
私なりに同じ経験をしている。ここで何度も失敗している。
めちゃめちゃ難しいことだけど、絶対にこのステップは 乗り越えなくちゃいけない。




(REXのブログ ”フロリダ☆ゴルフライフ” 2004/12/26より)


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