ミケルソンという男



アメリカのゴルフファン達は大きく二つに分ければ
タイガーファンとミケルソンファンに分かれるんじゃないかな。
もちろん、彼ら以外にもデイリー、ラブ、カプルスなどスター選手はいるけど
実力的にも彼ら二人が突出しているね。

タイガーファンの多くはタイガーの強さ、彼の力強くなお且つ緻密なゴルフに
惹かれていると思う。もちろんそれ以外もあるんでしょうけど。

一方、ミケルソンのファンはどうでしょう。
よくアメリカ人はミケルソンのことをAll American Boyと表現します。
All・・・とは、理想的な、もしくは模範的なアメリカ人とでも訳しましょうか。
アメリカ人の理想とは、良い大学の出身で、きれいな奥さんを持ち、かっこよく仕事を
こなし、なんと言っても家族を大切にすることです。
契約先の試合をキャンセルしてまでも、奥さんの出産に立ち会ったことは有名ですよね。

そして、なんと言っても彼の魅力は、 皆さんもご存知のように、攻撃的なゴルフです。
トラブルショットでは彼ならではの想像力と技術で他のどの選手もできないような方法で
脱出を試みます。言い換えるなら、いろんなことにチャレンジするリスクテイカーです。
そんなところもアメリカ人のハートをキャッチしているのかな。

彼とは大学時代、アマチュアトーナメントで2年間プレーする機会がありました。
彼の集中力は並外れています。ひとことで言ったら異常です。
彼がゲーム中、ゾーンに入ったら何も見えなくなり、周りの声も聞こえなくなります。
近くで手を振ってもまったく気がつきません。
あの集中力は、スーパースター達にみられる共通点ですね。

彼が学生時代、大学の寮の前の駐車場での出来事です。
きれいに車が駐車している中に、1台だけ駐車スペースがポツンと空いていました。
それを見た彼は、なぜか車を猛スピードで走らせ、ブレーキとサイドブレーキを使い
ハンドルを急にきって、90度スピンでそのスペースに車を止められると思い込み、
それを躊躇なく実行。
結果は、もののみごとに隣の駐車していた車と自分の車を大破させてしまいました。
それを見ていたチームメイト達は唖然・・・・。

これはフィルの突拍子のない発想力とそれを実行するチャレンジ精神、
そして自分にはできると信じ込む変な自信を象徴するようなエピソード。
彼のチームメイトから聞きました。
彼のゴルフでもみられるクリエイティビティはこんな彼の性格から生まれているのだと思います。

彼のプレースタイルは強くてもちょっとタイガーとは違い、
勝負にこだわりつつもちょっとハイリスクなこともする。
よくアメリカの解説者たちには批判されていますが・・・。

”What will Phill do next?”

これは彼の契約先であるFordがコマーシャルでフィルを使った時のフレーズです。
私達の想像力以上に何をするかわからない。それは紛れもなく彼の性格です。
彼が一流でいる限りこの性格はかわらないでしょうね。
ファンもそんなフィルが大好きなようですよ。

次回、フィルを見るときは彼の性格を頭に浮かべて見てください。
なかなか面白いと思いますよ。



(REXのブログ ”フロリダ☆ゴルフライフ” 2005/2/14より)


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