モー・ノーマンって知ってる?



先日戸田藤一郎さんのことを書きましたが
日本の歴史的ボールストライカーが戸田さんならば
アメリカではベン・ホーガンと皆さん想像されるでしょうけど
マニアの中ではホーガンではなく、ノーマンだ。
そして、グレッグではなくモーだ。
と言われています。

しかし、そのモー・ノーマンも他界されました。

彼に関する逸話がいくつかあるのでここで紹介します。
(米国ゴルフダイジェスト2004年11月号より引用)


ひとつは、デイブ・ペルツ(ショートゲーム・ティーチャー)との会話。
彼達がゴルフ談義をしている時、モーはペルツに

「あなたがパターを真っ直ぐ打つより、ぼくはドライバーを真っ直ぐ
打てるよ。250ヤード先にポストを置いて、ぼくが先にそのポストに
当てるか、あなたが30ヤード先のカップにボールを入れるか
勝負しないか。」

とモーが提案しましたけど、ペルツは断りました。
今でもペルツはこのことを機会があるごとに話しているそうです。

そして、モーが友達のジョージ・ナッドソン(彼も有名なボールストライカー)
とラウンドする時は、フェアウエイをはずした方が20ドル罰金。
グリーンをはずしても20ドル罰金。
しかし、旗にボールがあたったら100ドルご祝儀。
そして、グリーン上ではパターはしなかったらしい。
モーは1ラウンドで6回旗にあたったのが最高だそうです。
(異常です^^;)

モーはカナダツアーでたくさんの試合を優勝をしましたが
一度サスカッチュワンオープンで、3打リードでむかえた最終ホール。
彼はバーディーパットを目の前にして
バンカーから寄せワンをとって優勝できるかどうかやってみたかったので
バーディーパットをわざとバンカーに打ち、
そこから寄せワンがとれるか試したそうです。

もちろん、彼は寄せワンをとり優勝したのですが
グリーン周りで見ていたあるギャラリーは
顔面蒼白。どうやら、モー・ノーマンの優勝に
大金を賭けていたらしい。なんとも罪な人です。

私が大学時代に聞いた話ですが、ある試合で
1打リードで最終ホールを向かえたノーマンは
プレイングパートナーから、
「このホール、ドライバーを打って、そして、SWを打ち
グリーンに乗せたら君が優勝だね」と言われ
「そうだね」とモーはうなずいたあと、
ティーショットでSWを打ち、セカンドでドライバーを打ち
グリーンオン!?そして、そのパートナーに
「君の言うとおり、僕の優勝だよ」って言ったそうです。

モーが10歳後半から20歳の頃は、よくバンカーの中で寝泊りをし、
ヒッチハイクをしながらトーナメントに参加していたそうです。
そして、晩年は車の中で寝泊りをしていたらしいです。

1990年後半に、フロリダ・オーランドでのPGAショーをモーが
のぞいていた時、タイトリストのブースで、ある男が
モーに話しかけてきました。
CEOのMr.Uihleinでした。

「私たちのプロダクトを40年もお使いいただいているらしいですが
わが社があなたに報酬をお支払いしたことはありますか?」
とモーに質問をしました。

モーの返事は「いいえ」。 Mr.Uihleinは、「手を貸してください。そして、握手してください。
あなたに今から生涯、5000ドル毎月お支払いいたします。」と言いました。
そこで契約が成立しました。そして、その日はじめてモーは銀行に
口座を作りました。そのときすでにモーは60歳。
彼のライフスタイルが想像できますね。

モーはウエイトトレーニングをするプロ達を見てひとこと。
「1日600球ボールを打ち、たくさん歩き、食べるものに気をつけたら
トレーニングなんか必要ない。ボールを打つことが何よりもの
トレーニングだ。」

しゃがみこんでパッティングのラインを読む人を見て
「時間の無駄だ。」

そして、チタンドライバーを使い60歳を超えたモーが
35歳のときよりもボールを遠くに飛ばしているとき、
「面白くない。ボールをいかに正確に、きれいな弾道で打つこと
のほうがゴルフでは重要なはずだ。飛ぶだけでは面白くない。」
と言ってました。



どうですか。すごい人ですよね。
彼のゴルフメソッドは、今、「ナチュラルゴルフ」という
レッスンプログラムで学ぶことができます。
個人的にはこのメソッド、あまり好きではありません。

モーのスイングは独特で、彼の理論と彼が実際にしていたスイングは
必ずしも一致していません。やはり彼は血のにじむような練習の末
頭ではなく、体でスイングを覚えたのでしょう。

全盛期には彼の左手のタコが分厚くなりすぎたため、
はさみで切り落としていたそうです。
並のゴルファーではないことは確かです。




(REXのブログ ”フロリダ☆ゴルフライフ” 2005/7/2 より)


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